【まぁ婆さん】
suzu

うちのひいばあさんは拝み屋です。
二年前、ひいばあさんの知り合いのまぁ婆さんが亡くなりました。

そのまぁ婆さんも拝み屋でした。
彼女が亡くなってから一週間、葬儀も終わり、少し落ち着いた頃、その家で異変が起きはじめたそうです。
まぁ婆さんの家族からひいばあさんに電話がありました。

家族の話しでは、トイレに誰かが入っている。
でも家族は居間に全員いる。
おかしいなと思ってたら、まあ婆さんがトイレから出てきて、生前使っていた部屋にいたり、普通に存在してる様にそこにいるんだと。

 家族が怖くなってひいばあさんにすがってきました。

次の日、隣の県のまあ婆さんの家へ。
家族に挨拶して、すぐ仏壇に線香をあげて、まあ婆さんがまつっていた神棚の前に。

うちのひいばあさんは龍神様をまつっています。
龍神様はその土地に元々住んでる神様で、最初から神様なわけではなく、龍神様自体が修行をして位を上げていくそうです。

その土地から離れることはなく、なんらかの理由で信仰が途絶えると、神様の力も衰えていきます。
もし元々の土地を離れる場合、移動先の神様と喧嘩になったり、また最初から修行をしなおさなければならいそうです。
龍神様は善い神様で、よほどのことがなければ人に祟りをなさないみたいです。

ひいばあさん曰く
この家で神様をまつる人がいなくなる。
つまり神様は力の衰退を恐れ、まぁ婆さんを成仏させずに、死んでもなお自分をまつらさせるためにその場所に留めているんだ。
とのことでした。

ひいばあさんは、自分が生きてるうちは月に一度神様を拝みにくる。 その後は知らん。お前らがなんとかしろ。 と家族に言って、今も月に一度親父の車で隣の県まで出張してます。
ひいばあさんが拝みに行くようになってから、まぁ婆さんは成仏したそうです。
夢枕にまぁ婆さんが出てきて、ひいばあさんに頭を下げて鈴を三回鳴らしていったそうです。

ひいばあさんとまぁ婆さんは、お互い先に死んだ方が、最後の別れをしに行こうと約束していて、合図で鈴を三回鳴らす。ということにしていました。
「約束守ったな。 悪いと思ったんだな。頭を下げていったよ。」
と言いながら泣いていました。

ちなみに、ひいばあさんが月に一度鬼子母神を拝みに行き、帰ってきてから自分の家の神棚の前に行くと、龍神様の存在が全く感じられなくなるそうです。

「合わないんだべな 」と言って笑っていました 。